太陽光発電で使うバッテリー
▼太陽光発電のシステム構成太陽光パネルで発電した電気は、チャージコントローラーで制御され、バッテリーに蓄えられます。
このバッテリーの種類や性能、容量により、使える電力も変わってきます。
バッテリーの種類
- 鉛蓄電池
- リチウムイオン電池
- ニッケル水素電池
他いろいろありますが、DIYで充放電をコントロールするチャージコントローラーは、鉛蓄電池を対象としてプログラムされているものが多いようです。(平成16年)
ここでは自動車で一般的な鉛蓄電池を採り上げたいと思います。
※ 充電すること自体発熱しますし、水素ガスも出ます。自動車のバッテリなら大丈夫というわけではありません。
使用方法を間違えば事故にもなります。取説の使用方法をよく読んで、安全に利用しましょう。
鉛蓄電池 3種類
- オープンバッテリー
- セミシールドバッテリー と シールドバッテリー
- ディープサイクルバッテリー
オープンバッテリー
自動車やオートバイ等のバッテリーとして利用されています。エンジン始動時に大電流が必要で、エンジン始動後はオルタネーター(発電機)で常に充電し、満充電を維持するようになっています。
一時的に大出力させることが得意なバッテリーです。
ただし一度バッテリーを上げてしまうと、次に充電しても 100% まで回復はしません。
繰り返し放電に弱いとされ、バッテリー液補充などのメンテナンスが必要です。
▼オープンバッテリーの外見
外見
中に入っているバッテリー液(希硫酸)の量が少なくなった場合、補充液を入れる穴(コインで開けられる蓋)があり、バッテリ液の水位を upper level と lower level の間にくるように、メンテナンスする必要があります。
水位が判りづらい場合は、少し揺すってみる(車の場合は車体を上下に揺する)と判りやすいです。
また、充電時に発生する水素ガスの排出のためにホースが付いています。
セミシールドバッテリー
基本的な性能はオープンバッテリーと同じですが、メンテナンス不要といわれています。▼セミシールドバッテリーの外見
メンテナンス用の蓋は付いていませんが、充電で発生したガスの排出口がついています。
発生したガスは排出しますが、水蒸気はバッテリー内で結露させ電解液に戻るしくみになっています。
寿命まで補充液を入れなくても良いとされています。
シールドバッテリー
オートバイや移動用のバッテリーとして利用される事が多いです。基本的な性能は、オープンバッテリーと同じ。
セミシールドとの違いは、完全密封でメンテナンスが不要と言われています。
ディープサイクルバッテリー
船舶・ヨットや、キャンピングカーのサブバッテリー等で利用され、繰り返し放電に強いバッテリーです。どちらも放電しすぎると寿命が短くなってしまいますが、より深くまで使用できるバッテリーです。
DIYの太陽光発電でもよく使われているようです。
キャンピングカーの場合。
充電してキャンプに出かける。キャンプ先で電気を使う。帰ってきて充電する。というサイクルです。
キャンピングカーの屋根に太陽光パネルと設置している方も増えているようです。
バッテリーに記載されている表記の読み方。
▼ 40B19L と表示されている場合
40B19L
JIS規格から
40:バッテリーの性能 大きいほど高性能 但し容量ではありません。
B:奥行きと高さ
19:横の長さ (cm)
L:+端子の位置(L:左 R:右)
但し、メーカーにより表記が異なります。
また、ハイブリッドカー用、欧州車用等によっても表記が異なるので、時間率という言葉で説明します。
時間率を知って使う
バッテリーの容量はAhと言う単位を使います。(箱などに記入されています。)
容量(Ah) = 電流(A) × 時間(h) で求められます。
また、容量は同じでも、使い方でどのくらいまで使えるかが異なってきます。
時間率という言葉が使われます。
時間率とは、そのバッテリーを、10.5v になるまで、○A でどのくらいの時間使えるか?というもの。
日本の自動車の場合 「 5 時間率 」 が使われ、オートバイ用の場合は「 10 時間率 」、欧州車では 「 20 時間率 」 が使われています。
たとえば、20Ahというバッテリーでは、
20時間率 の場合、1A を 20時間(h) で取り出すことができます。
10時間率 の場合、2A を 10時間(h) で取り出すことができます。
5時間率 の場合、4A を 5時間(h) で取り出すことができます。
因みに、どの時間率でも1Aなら20時間は使えると言うことですね。
また、少ない電流を長時間使う方がバッテリーにも優しいです。
そうなると、 5時間率 20Ah のバッテリーで 1A 取り出し続けた場合は20時間以上取り出せることになります。
実際にはバッテリーの状態によっても違いは出てきますし、バッテリーの直流を交流に変換するときもロスが出ます。なかなか思ったようにはいきません。
電力の計算方法
電力(W) = 電圧(V) × 電流(A) という式を覚えているでしょうか。
たとえば家庭のコンセントで使う家電の場合
60W の電球を使うのに必要な電流は、0.6A となります。
60W = 100V × 0.6A
では、この60W の電球を、12Vのバッテリーから使いたい場合。
60 W = 12V × 5A
5A の電流が必要になります。
この 60W の電球を 5時間 使用したい場合、必要なバッテリーの容量は
5A × 5時間 = 25Ah
実際にはインバーター(直流を交流に変換する装置)の変換効率やロスもあるので、さらに大きな容量のバッテリーが必要となります。
バッテリーの直列接続と並列接続
考え方は、乾電池の直列接続・並列接続と同じです。但し、ショートさせたり間違った配線をすると大変危険です。
流れる電流の大きさは乾電池と比べものになりません。
あっという間に火災や大事故につながります。
太陽光発電をやる場合は、危険性を理解し、安全に利用して下さい。
初めての場合は、小規模なものからはじめましょう。
初めて太陽光発電をする場合は、小さいシステム構築で、バッテリーも1つからスタートが良いと思います。
▼バッテリーの並列接続
電圧12V。
バッテリー容量が増えるので、長い時間使えるようになります。
▼バッテリーの直列接続
電圧 12V + 12V = 24V 。
容量は増えませんが、電圧が2倍。
同じ家電を使う場合、12Vシステムの半分の電流ですみます。
※ 直列・並列、どちらでシステムを組むにしても、容量・性能の異なったものを接続してはいけません。
容量の大きなバッテリーから小さいバッテリーに無駄に電気が使われるだけで無く、バッテリーの性能を発揮できません。
乾電池でも、単1と単3を混ぜて使うようなことはしませんし、電池を交換する場合はすべての電池を交換します。それと同じです。
ACDelco(エーシーデルコ)
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